2010年3月3日水曜日

かすやキッズネット2009年8月号

今月は『本の紹介』です。

突然ですが、皆さんは今春に発刊された『子育てハッピーアドバイス小児科の巻』をご存知でしょうか?僕も遅ればせながら最近読んだのですが、おもしろくてためになる本なので皆さんに紹介したいと思います。 僕は少なくとも治療に関してはシンプルにありたいと思っています。たとえば2月号で「発熱」について書きましたが、ほとんどの発熱はウイルスによる気道感染症(かぜ)であり、特別な治療を行わなくても23日で解熱するものがほとんどです。ただ時に重篤な病気がかくれていることもあるので、年齢・病日・随伴症状がポイントと考え、経過の中で判断していくことが大事であると考えています。したがって発熱してまだ1日以内であれば、問診・診察の上よく考えて、抗生剤は出さずに対症療法の薬だけで様子をみることがほとんどです。念のため採血をしてもほとんどのお子さんは炎症データは悪くなく、数日の経過で軽快していくことがほとんどです。 この本は、正しい知識を伝えて、親御さんに安心と自信を持ってもらうことを目的に書いてあります。ざっとページをめくってもキーワードがたくさんあります。〜発熱はワルモノじゃない、発熱してすぐに受診しても早く治るわけではない、解熱剤で病気は治りません、風邪薬は風邪そのものを治す薬ではありません、風邪そのものに効く薬はありません、よくある病気の大部分はこどもが自分の力で治している、小児科は重い病気のサインがないかチェックするところ、医師の「わかる」とママたちの「わかる」は少し違う・・・などなどです。一読をおすすめします。 ふたばこどもクリニック院長:とねがわやすひこ