2010年3月3日水曜日

かすやキッズネット2009年9月号

今月は『学童の肥満』です。

粕屋地域でも学校心臓検診で生活習慣病のスクリーニングが始まりました。先日学校検診協議会があり、その中で印象に残った点を記します。『①軽い肥満は大丈夫?「学童」では「軽度」肥満であっても既にインスリン抵抗性が高い児童がおり、成人期に糖尿病・脳卒中・心疾患の発症が憂慮される。②小学校に行けばやせる?小学校入学直後に急激に体重増加するケースが多い。幼稚園児の1日の運動時間は平均3時間で、小学生では80分程度と半減しているとのデータもあり、運動時間との関連も指摘されている。③肥満の治療は難しい?食事:空腹感をともなわない食事摂取が有効であり、ひとつの方法としてかむ回数を設定・実行することをすすめる。また朝食はきちんととる。運動:休日(月に8日程度)には160分以上の運動(ウオーキングなど)を実行する。このように具体的な項目・数値を設定し、チェックシートで毎日チェックする。実際にこの方法で70%以上の児童に肥満改善を認めた。短・中期的には肥満治療はそれほど困難ではないのかもしれない。④急にやせるのはいけない?肥満治療を開始した場合、最初のひと月から効果(体重減少)を認める。認めない場合はその後の治療効果が困難と予想される。最初の取り組みが肝心である。』以上です。日々の外来で実践されているDrの話であり、非常に説得力を感じました。夏休みで二次検診で当クリニックを受診されるお子さんもいますが、上記をポイントに診療に取り組もうと思いました。 ふたばこどもクリニック院長:とねがわやすひこ