2015年7月18日土曜日

キッズネット8月号

今月(76号)は『熱性けいれん』です。
今春に熱性けいれんのガイドライン(GL)が発行されました。そこで今回はこのGLを踏まえ、Q&A形式にして僕なりの要点を述べます。

【救急車を呼ぶタイミング?】熱性けいれん重積状態の「実地用定義」として、「5分以上続く」けいれんとあります。5分以上続くけいれんは、薬物による治療(主として注射薬)を考慮しないといけないので、救急車を呼ぶタイミングとしては十分であると考えます。けいれん後も意識がはっきりしない・判断に迷う場合も同様であると考えます。

【熱性けいれんで脳に障害は残る?】多くの熱性けいれんでは脳に障害を残すことはありません。GLでは熱性けいれんの回数ではなく持続時間”を重要視してあります。ただし具体的な持続時間については「脳障害を起こしうる時間として30分」という表現にとどめてあります。5分以上続くけいれんは、30分以上続く可能性を孕んでいるので要注意

【熱性けいれんを繰り返すが大丈夫?】熱性けいれんが「単純型」であれば、けいれんを繰り返しても、脳に障害を与えたり、将来てんかんを発症する可能性は殆どないと考えてよいようです。


【発熱時にけいれん予防薬が必要?】"15分以上続くけいれんの既往がある"お子さん以外では、その適応はかなり限られるようです。「単純型」の熱性けいれんであれば、けいれんを繰り返しても、多くのお子さんにけいれん予防薬は不要です。