2022年8月20日土曜日

かすやキッズネット9月号

今月(第161号)は『熱中症』です。


熱中症は「暑熱環境における身体適応の障害によって

起こる状態の総称」です。

スポーツ・仕事中に発症する<労作性>と日常生活で

発症する<非労作性>の2つに分類されます。


重症度はⅠ〜Ⅲ度に分類されます。


Ⅰ度:「めまい、立ちくらみ、顔色蒼白、頭痛、

    手足のしびれ・冷感・こわばり」等であり

    基本的に意識障害を認めません。

   「歩けない位きつがっているが、呼びかけ

    には返答できる」イメージです。

   発汗による体液の喪失と暑熱環境下の末梢血管

   拡張作用による脳血流の一時的な減少と考えら

   れ、涼しい環境で安静臥床(足を挙上)・濡タオル等

   によるクーリング・水分(できれば経口補水液)を

   摂取させながら経過観察します。

   症状は時間とともに変化していきます。

   改善しなければ医療機関へ受診して下さい。

 

 *「発汗・軽い頭痛・きつさを認めるが歩行可能」で

   あればⅠ度の前段階状態と考えます。 

   このような徴候を認めれば早目に涼しい環境で

   休まましょう。


Ⅱ度:Ⅰ度より重症化し意識障害「ぼーっとして反応が

    鈍い」が顕在化してきます。高体温による

    臓器障害が強くなる可能性があり、

    医療機関を速やかに受診してください。


*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行している

 <かすやキッズネット>の『まちのお医者さん』に

 連載中です。


 

新型コロナウイルス感染症検査実績

 新型コロナウイルス感染症の検査実績です。
8/1〜8/7分です。
(スケールは省略しています)



2022年8月6日土曜日

新型コロナウイルス感染症の検査実績

1週遅れの新型コロナウイルス感染症の検査実績です。
7/25〜7/31分です。
(スケールは省略しています)

陽性者数・陽性率は過去最高でした。
ちなみに陽性率は40%台でした。

ただ患者さんの殆どは発症後1〜2日間 は
発熱・全身倦怠感を強く感じておられますが
その後徐々に改善し
3〜4日間程度で軽快されています。





★以下、私見です

全数把握の見直し(縮小・中止)の議論が出てきています。

全数把握を縮小するということは
「COVID19の患者さんが周囲に多少いても
それを寛容する社会」と
僕は考えます。

COVID19のパンデミックが始まり
すでに2年半以上経過し
様々な知見が得られてきました。
もう次のフェイズに移行する時期でしょう。

COVID19の患者さんを軽んじる訳ではありませんが
本感染症の実情とそれにかけられる労力には
大きな乖離があります。

例えば・・・
診療は当然ですが
発生届の作成・報告においても
医療機関・保健所・関係機関では
大きな労力を費やしています。

現在の全数把握を続けると
マンパワーを含めた医療資源の疲弊・枯渇は進み
他の重症患者さんを診療することが困難になります。
(すでにそうですが・・・)

基礎疾患をもつハイリスクな医療従事者が
多数の軽症のCOVID19の患者さんの診療を
行っているという現実もあるようです。

「大きな集団としての施策」から
「個別の感染防御という施策」へ
段階的にシフトしていく時期でしょう。