2018年10月15日月曜日

キッズネット11月号

今月(第115号)は『こどもの診療の10年間の変遷(その①)』です。
      
おかげさまで、ふたばこどもクリニックは11月で開院10年を迎えます。
そこで今回から数回に渡ってこの10年間のこどもの診療のトピックを振り
返ってみようと思います。

Hib・肺炎球菌ワクチン】
Hib・肺炎球菌による髄膜炎は致死ケースを数%、脳の後遺症を2030%
に認め、非常に怖い病気です。
本ワクチンはH25年から定期接種として開始されました。
ワクチンの開始前はHib・肺炎球菌髄膜炎の年間発症者数はそれぞれ600人・200
程度であり、僕もクリニックを開院する10年前までは数年に1人程度の診断の
経験があります。患者さんのご家族も大変であったと思います。
それが5年前に定期接種として開始されると、わずか数年で肺炎球菌髄膜炎
は約70%の減少率、Hib髄膜炎にいたっては99%以上の減少率を認め、激減!
というレベルに至りました。現在Hib髄膜炎の発生は殆ど無くなったために
ワクチンの恩恵を忘れがちになりますが、ワクチンの『見えない効果』(病気を
予防するという気づかれにくい効果)を肝に銘じながら、日々のワクチン外来を
行っていきたいと考えます。

【ワクチンの同時接種】
H2012月にHibワクチンが任意接種として開始された後、ワクチンの同時接種が推奨
されてきました。
当初は2本以上のワクチンの同時接種をためらう親御さんが多かったのですが、
徐々に認知されていき、数年前からは45本の同時接種も普通に行うように
なってきました。10年前の同時接種の説明に難渋した状況からは隔世の感が
あります。 (もちろん単独接種を希望される方にも対応しています)

 ★次号に続く

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html