今月(第154号)は
『おたふくかぜワクチン(その2)』です。
糟屋地区におけるおたふくかぜ流行の実態
調査(疫学調査)を行うに当たって一番頭を
悩ませたのは調査対象集団の設定でした。
なぜなら調査対象の設定が疫学調査の土台
となるからです。
とはいえ “おたふくかぜの疫学調査として
1市7町に及ぶ自治体の小児を、同一条件で
もれなくカバーする調査” というのは日本
では前例がなかったので、自分なりに悩み
ながら関係機関に提案し協議していきました。
最終的には調査対象を『当地区における
小中学校全52校』としました。
(理由は各自治体の同一年齢のほぼ全集団を
対象にでき、また第2種学校感染症である
ため実数を把握しやすいからです)
早速2017年春に地域の保健会の皆様に
2016年度のおたふくかぜ流行状況の情報提供
と実態調査の提案を行いました。
幸いにも保健会の皆様の調査趣旨へのご理解
を頂き、アンケート調査を行い、速やかに
結果の集計を行うことができました。
結果は・・・
2016年度の糟屋地区(1市7町: 古賀市・新宮町・
久山町・粕屋町・篠栗町・志免町・須恵町・宇美町)
の 全公立小中学校 52校、生徒数27,857人の内、
おたふくかぜ罹患者は1,045人でした。
(次号に続く)
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
『まちのお医者さん』に連載中です。