明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
昨年4月から始まったおたふくかぜワクチンの出荷
粕屋町では2019年6月から接種費用の一部助成
そこでこれから数回?にわたり本制度が開始され
糟屋地区において非常に強い流行が確認されま
そこで2017年1月に糟屋地区におけるおたふく
かぜ流行の実態調査を関係団体・公的機関へ
提案し模索していきました。(次号に続く)
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
『まちのお医者さん』に連載中です。
そこで2017年1月に糟屋地区におけるおたふく
かぜ流行の実態調査を関係団体・公的機関へ
提案し模索していきました。(次号に続く)
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『赤ちゃんが蜂蜜を舐めましたがどうしたらいいですか?』
と 乳児ボツリヌス症を心配された問い合わせをいただきます.
以下本症のポイントを示します.
ボツリヌス菌は芽胞という硬い種子のような形態で土壌・川に
広く存在します. 真空パック・瓶缶詰中の存在が有名ですが,
野菜・果物等への付着もありえます. ただ芽胞を摂取しても
通常は人間の腸内細菌の働きで菌は増殖できず, ボツリヌス毒素
も産生されずにおわります.
例外的に赤ちゃんは腸内細菌の働きが未熟なため, 毒素が
産生されて発症する可能性があります.
症状は3〜30日の潜伏期間の後に, 3〜5日以上続く便秘を
認め,その後活気低下・哺乳低下へと進展し,
眼瞼下垂・無表情・体幹や手足の麻痺に至る場合があります.
時に呼吸管理が必要な場合もあり, 注意深い観察と対応が
必要なケースもあります.
【蜂蜜が原因?】
蜂蜜を摂取した乳児の本症の発症頻度は不明です.
ただ最近30年間の報告を見ると, 本症と蜂蜜摂取との関連が
明らかな事例は少ないようです.
(ちなみに市販の蜂蜜製品中にボツリヌス菌が混在しているのは
数パーセント以下?という記事を読んだ記憶がありますが・・・)
従って赤ちゃんが蜂蜜を舐めてしまっても慌てずに,
3日間以上続く便秘と 元気がない・哺乳の低下等に注意して
観察し, 気になったら医療機関を受診することをアドバイスし
ています.
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
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今月(第151号)は『『食物経口負荷試験』です。
私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に
月に数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行って
います。ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく
「必要最小限の除去」を推奨しており、
「症状を誘発しない・食べられる範囲までは食べる」
ことを奨めています。
従ってFAのお子さんには「OFCを行い食べられる量を
推測し、少しずつ摂取量を増やしていく」という段階的
解除を行っています。
以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。
① 即時型症状に関する問診
②OFCの適応ありと判断したらOFCの説明・同意・予約
③OFC当日はアレルゲン食物を少量ずつ30〜90分の間隔で
摂取。誘発症状がないことを確認して帰宅。
④自宅で同食物を指定の量・回数・期間で摂取
⑤数週間後に増量した同食物で
OFCを行う・・・以上を患者さんの状態に応じて
数ヶ月間繰り返し、段階的解除を目指します。
お子さんによっては1年近くかかるケースもありますが、
多くのFAのお子さんは完全解除もしくは完全解除に近い
状態まで進むことができるようです。
もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応が必要
ですし、専門医療機関との連携が必要となるケースも
あります。
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行している
<かすやキッズネット> の『まちのお医者さん』に
連載中です。
今月(第150号)は『インフルエンザワクチン』です。
10月から インフルエンザワクチン の接種がスタートされると
思います。(今年はワクチンの供給量が昨年の7割程度?
との噂もありますが・・・)
以下にインフルエンザワクチンのポイントを述べます。
【人間の免疫システム】
過去にインフルエンザの既往があっても感染してしまう
ケースがあるように、人間の免疫システムがインフルエンザ
ウイルスの抗原変異に十分に対応できていないと考え
られます。
【ワクチンの限界】
現行の不活化スプリットワクチンでは自然免疫系への刺激
がなく細胞性免疫の誘導ができないため、
ワクチンの効果は限定的になってしまいます。
インフルエンザ感染歴が少ない乳幼児にはワクチンの効果が
少ないのは当然です。またワクチンの製造過程での抗原性の
変異による有効性の低下(卵馴化)も指摘されています。
【ワクチンを接種する前に】
インフルエンザは人間が本来持っている免疫システムが十分に
発揮されれば、ハイリスク者でない限り多くの方は
重症化せずに軽快します。ご自身の免疫システムを低下
させないような体調管理を行ったり、感染機会に
配慮した上でのワクチン接種が推奨されます。
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
『まちのお医者さん』に連載中です。
今月(第149号)は『熱中症』です。
熱中症は「暑熱環境における身体適応の障害によって
起こる状態の総称」です。
スポーツ・仕事中に発症する<労作性>と
日常生活で発症する<非労作性>の2つがあります。
重症度はⅠ〜Ⅲ度に分類されます。
【Ⅰ度】「めまい、立ちくらみ、顔色蒼白、頭痛、
手足のしびれ・冷感・こわばり」等が主な症状です。
基本的に意識障害は認めず、受け答えは可能です。
「歩けない位きつがっているが、呼びかけにはきちんと
返答できる」僕はイメージしています。
発汗による体液の喪失と暑熱環境下の末梢血管拡張作用
による脳血流の一時的な減少と考えられ、涼しい環境で
安静臥床(足を挙上)・ぬれタオル等によるクーリング・水分
(できれば経口補水液)の摂取をさせながら経過観察します。
このような徴候を認めれば早目に涼しい環境で休ませま
しょう。症状は時間とともに変化していきます。
症状が改善しなければ医療機関へ受診してください。
【Ⅱ度】Ⅰ度より重症化し意識障害「ぼーっとして反応が
鈍い」経口摂取不能 がより顕在化してきます。
高体温による臓器障害が強くなる可能性があり、
医療機関を速やかに受診してください。
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
『まちのお医者さん』に連載中です。
http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/index.html
今月(第148号)は『子どもの新型コロナワクチン接種』です。
6月から本ワクチンが12歳以上の子どもさんにも
接種可能になりました。
7月上旬の情報を元にポイントを述べます。
ご参考になれば幸いです。
(現在はファイザー社製のみで、今後モデルナ社製も追加承認
の予定です)
・現行のmRNAワクチン は有効性が非常に高く, 変異株への
有効性も示されている.
・副反応:接種部位の痛みや腫れは多くの人に認める.
頭痛・倦怠感・発熱は2回目の接種後に認めやすく,
若年者ほどその傾向が強い.
症状のピークは接種翌日で, 1週間以内に殆ど回復する.
重篤な副反応は他ワクチンと比較して高い頻度ではない.
・新型コロナウイルス感染症:10代の感染者は多くは軽症です.
ただし基礎疾患がある場合は重症化のリスクがある.
感染する(させる)と, 感染者は軽症〜無症状であって
も少なくとも10日間の隔離が必要で, 社会的制約が
非常に大きい.
*以下は上記を踏まえた上での私見です.
新型コロナウイルス感染症は他のウイルス感染症に比して
社会的制約が非常に大きいです.
またワクチンの副反応は若年者ほど発熱等の全身症状が
出やすく, お子さんによっては数日の学校欠席のケースも
考えられます. これらを勘案しながら各ご家庭で
お子さんのワクチン接種の是非や接種時期を慎重に
ご検討下さい.
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
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今月は『ウイルス性胃腸炎』です。
GW明けから嘔吐下痢症のお子さんが増えて
きた印象です。
代表的な原因ウイルスは、ノロウイルス・ロタウイルスです。
感染力が強く、吐物・便等のウイルス汚染物との
接触・経口感染によって発症します。
症状は嘔吐・下痢・腹痛・発熱・悪寒・だるさ等
です。
治療は経口摂取を制限しながら、少量ずつの
経口補水や症状を緩和する対症療法で様子を
見ていきます。特に発症後5〜6時間程度は
症状が強いため水分も含めた経口摂取を制限
します。そして吐き気がある程度落ち着いて
きたら少量の水分から与えていきます。
ポイントは
・本人が欲しがっても無理せず少量ずつ与える.
・小さじ(5mL程度) 2〜3杯程度から与えていく.
・白湯やお茶でもいいのですが, 適度の糖・塩分
を含むものが身体にとっては望ましいです。
果汁入りのジュース・ゼリー・氷菓や果物の
すりおろし、市販の経口補水液などを
少量ずつ与えていきましょう.
発症後半日近く経過すると多くのお子さんは
症状のピークを過ぎ、2〜3日程度で治っていく
事が多いです。
親御さんより『脱水が心配』という声をいた
だきますが、数時間程度の経口摂取低下では
すぐには脱水にはなりません。
ただ8時間程度経っても『嘔吐を繰り返す』
『顔色が悪い』『元気なく横になっている』
であれば、早目に医療機関を受診して下さい。
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今月は『おたふくかぜワクチンの接種費用の
助成事業の対象年齢拡大』です。
粕屋町では2019年6月からおたふくかぜワクチン
接種費用の助成事業を独自に開始しました。
その後近隣の自治体でも同様の事業が開始
されました。
粕屋町では2021年4月から本事業の対象
年齢が拡大されましたのでお知らせします。
【対象者】粕屋町に住民票がある
1歳以上〜小学校就学前の幼児
【助成額】
接種費用のうち3,000円を上限に助成.
*全額の助成ではありません.
*助成回数は1回のみです.
【助成方法】
まず接種医療機関に接種費用を全額支払う.
その後粕屋町健康づくり課に申請し,
助成金が支払われる.
*不明な点は「粕屋町健康づくり課」に
問い合わせ下さい.
*町議会に陳情し、その後参考人として議会
にてプレゼンテーションさせていただき3年が経過
しました。粕屋町に続き周辺の自治体でも
本事業が開始されています。おたふくかぜ
ワクチンの接種を検討されませんか?
http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/index.html
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行
している <かすやキッズネット> の
『まちのおいしゃさん』に連載中です。
今月(第145号)は『ワクチンの副反応』です。
4月中旬の時点で福岡県の一部の地域では
新型コロナウイルスワクチンの接種が医療関係者・高齢者を
対象にスタートしました。
本ワクチンでは接種後の倦怠感・発熱・局所の疼痛が
比較的多いようです。
今回は一般的なワクチンの副反応について述べます。
<軽い副反応>
発熱・発疹・局所の反応等. 頻度は数%〜10数%.
<重篤な副反応>
入院加療が必要・障害・死亡に関わる症状.
頻度は10万〜100万接種に数人程度.
<ワクチンとアレルギー>
ワクチンの成分に対するアレルギー反応を事前に完全に
予測することは困難です. インフルエンザワクチンの場合,
鶏卵アレルギの人は接種要注意者に該当します.
ただ極めて微量の鶏卵由来成分しか含まれて
いないため, 重篤な副反応が発生する可能性は
極めて低いと考えられています.
<血管迷走神経反射>
ワクチン接種に対して強い不安・恐怖・痛みを感じる
事によって副交感神経の刺激されてしまうこと
があります. それによって血圧低下・脳血流低下
が生じ, 気分不良・吐き気・失神等が誘発される
ケースがあります. ワクチンの副反応というより
一種の(過度の)情動反応であり, 献血者の約1%
にも認めるという報告もあるようです.
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*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月
発行している <かすやキッズネット> の
『まちのおいしゃさん』のコーナーに
連載中です。
・妊娠希望者及び妊婦の配偶者(パートナー含む)、
同居者
*詳細は粕屋町健康センターにお問い合わせ下さい。
*風しん抗体検査は福岡県内の指定医療機関で
無料で実施されています。
詳細は福岡県のホームページにてご確認下さい。
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*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月
発行している <かすやキッズネット> の
『まちのおいしゃさん』のコーナーに
連載中です。
先日、福岡県でも緊急事態宣言が発令
されました。そこで福岡県のHPで公表
されている新型コロナウイルス感染症の発生状況
を症例番号等を基に集計してみました。
*あくまで僕個人で集計したものであり
その精度に関する責任は持ちません
ことを了承下さい。
・全県の報告数 および その内の
小学生表記・10歳未満の報告数
・居住地が糟屋郡の
10歳未満・10歳代 の 報告数
・居住地が福岡市の
10歳未満・10歳代 の 報告数
これを見て感じることは・・・
これまで学会等で指摘されているように
・小児 (特に10歳未満) の感染者は少ない
・小児の感染者は、その多くが身近な人
(特に年長者) からの感染例が多い
(家庭内への持ち込み、そこからの感染)
メディアには感染者数の推移を煽るばかり
ではなく、感染者の感染要因・環境・伝播
等の多面的な検証の報道を希望します。
今月(第142号)は『新型コロナウイルスワクチン』です。
現在世界でワクチンの開発が進み、新しいタイプの
mRNAワクチン等の開発が先行しています。
既に米国・英国では200万以上の接種がなされ
ています。
有効性に関してはmRNAワクチンの臨床試験では
有効率90%以上という優れた効果が報告されま
した。ただしあくまで短期的な有効性であり、
長期的な有効性はまだ不明のようです。
副反応はアナフィラキシー等の重篤な有害事象の報告は
ありますが少数のようです。
疼痛・発熱・倦怠感等が比較的多いようです。
現時点で副反応に関しては「概ね安全であるが
今後の検証を踏まえて慎重に評価する」という
論調のようです。
今後日本では優先接種対象者(医療関係者・高齢
者・基礎疾患有者)への速やかな接種体制の構築・
接種が進められる予定です。
*ワクチンの有効率90%以上とは「接種した人の90%
は罹らず10%の人が罹る」という意味ではあり
ません。接種者は非接種者に比べて発症のリスク
が10分の1になるというイメージです。
ちなみにインフルエンザワクチンの65歳未満の成人の有効
率は60%程度という報告があります。
(1月上旬の情報を元に記載しています)
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