2016年3月20日日曜日

キッズネット4月号

今月(第84号)は『日本脳炎ワクチン』です。

現在、日本脳炎ワクチンの第1期の標準的接種時期は3となっていますが、つい先月、日本小児科学会より「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6ヶ月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」というお知らせがありました。近年、日本脳炎患者数は非常に少ないのですが、ブタの抗体保有状況からは西日本を中心に広い地域で日本脳炎ウイルスの存在が確認されています。最近の小児の日本脳炎の報告事例は、2009年に高知県で1歳児、2010年に山口県で6歳児、2011年に福岡県で10歳児および沖縄県で1歳児、2013年に兵庫県で5歳児、2015年に千葉県で生後11ヶ月児となっています。第1期接種の標準的接種年齢とされる3歳以前にも発症者が少数ながらも報告されています。よって日本脳炎ウイルスが多いと推測される西日本地域では、生後6ヶ月からの日本脳炎ワクチンの接種を検討されることがおすすめされます。日本脳炎ウイルスに感染しても多くの人は発症しない(不顕性感染)のですが、万が一にも発症してしまった場合には高率に神経学的後遺症を残し、時に命に関わることもあります。日本脳炎ワクチンの接種時期を再考されることをおすすめします。