今月(第55号)は『インフルエンザワクチン』です。
秋になるとインフルエンザワクチンの接種が始まります。インフルエンザの流行期に入ると「ワクチンを接種したのに、インフルエンザに罹ってしまった」という声を毎年聞きます。そこでインフルエンザワクチンのポイントについてお話しします。
・インフルエンザは毎年冬に世界各地で流行が繰り返される。
・ワクチンよりも強力な免疫獲得があるはずの自然感染であってさえも、必ずしも翌年の感染を防げるわけではない。
・インフルエンザは多くの人は特別な治療を行わない場合でも1週間程度で治癒する。
・日本のインフルエンザによる死亡率は世界でも極めて低い。
・数は少ないものの重い合併症である脳炎・脳症は、乳幼児に多い。
・死亡例は高齢者に多く、その多くは肺炎の合併によるものが多い。
・現行のワクチンでは感染・流行を十分に阻止することは困難と考えられる(効果がないとは言っていません)
・ワクチンの効果は高齢者に高く、乳幼児では成人よりも低い傾向がある。
*以上のようにインフルエンザワクチンは他のワクチンに比してその効果がやや曖昧な印象はあります。ワクチンを過信するのではなく、インフルエンザの流行期には人混みは避け、手洗い・換気・マスクの活用などの自己防衛が大切であると考えます。また高齢者や乳幼児に対しては本人への接種に加えて、その周囲の人々へのワクチン接種も考慮されたらよいかと考えます。