2010年3月3日水曜日

かすやキッズネット2009年5月号

『赤ちゃん』のアトピー性皮膚炎について。

アトピー性皮膚炎】アトピー性皮膚炎という言葉は耳にする機会も多いと思いますが、まだまだ不明な点も多いようです。ただ以前のようにアレルギーとの関係はあまりクローズアップされておらず、皮膚の一番上の薄い角質層(乳児では0.1mm以下)の働きが弱いことによる様々な皮膚の症状と考えられています。当然ながら赤ちゃんの皮膚はまだ弱く、アトピー性皮膚炎を発症することは十分にありえます。ちなみに4ヶ月の赤ちゃんの1割以上にアトピー性皮膚炎を認め、その多くは数年のうちに治っていきます。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー】学会ガイドラインによるアトピー性皮膚炎の診断基準は「①痒みをともなう湿疹②乳児では顔>体 に多い③慢性の経過」であり、食物アレルギーに関しては必須項目としては問うていません。たしかに「食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎」はあるのですが、全てのアトピー性皮膚炎に食物アレルギーが関与しているわけではありません。(この辺は専門家の中でも少し議論はありますが・・・)一般に赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は皮膚の未熟性に起因することが多く、「アトピー性皮膚炎=食物アレルギー」とすぐに結びつけなくてもよいと考えます。明らかな誘因がある場合は別として、まずはスキンケアと塗り薬で治療し、それでも改善しなければ原因食物を考える・・・という順序でよいと僕は考えます。

アトピー性皮膚炎の治療】①スキンケア:きれいに、そしてしっとり〜清潔・保湿・刺激をさける。②塗り薬:乳児ではステロイドの塗り薬が中心になると考えます。十分な量を塗り、その後症状にあわせて塗る間隔をあけていきます。

423日(木曜日)1420分〜15時の予定で、こどもの健康教室を駕与丁公民館にて開催します。テーマは『予防接種』の予定です。つどいの広場の一環としてお気軽にご参加下さい。ふたばこどもクリニック院長:とねがわやすひこ