2019年12月20日金曜日

かすやキッズネット1月号

今月(第129号)は『保険診療』です。
                             
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今回は堅めのテーマ「保険診療」についてです。

私達「保険医」が「保険医療機関」で行う診療行為(保険診療)は
“療養担当規則”に則って行うことが原則となります。
親御さんから「△△が流行っているので検査を希望する」等の要望
があります。ただ “療養担当規則”では「各種検査は診療上必要が
認められる場合に行う」とあるため、必要な検査項目を選択し、
段階を踏んで検査を実施します。
たしかに必要な検査項目の判断は難しいのですが、
患児の症状(その程度重症度)・経過・見通しを総合的に勘案して
検査を実施します。
不顕性感染の可能性まで考えて検査を際限なく行ってしまうと
日本の保険診療は破綻します。
また自分の頭で物事を見る・考える・先を見通すという大切な能力が
育ちません。このような診療を100%成し遂げることは不可能です
が、“療養担当規則”を原則としながら患児の状況に即した診療を
目指していきたいです。 
偉い人の年頭所感のようで恐縮です・・・  ^_^;

2019年11月24日日曜日

クリスマスツリー



*今年はツリー本体を新しくしました。
電飾も新しくする予定です。
(12月になればセールが・・・)

2019年11月16日土曜日

かずやキッズネット12月号

今月(第128号)は『食物経口負荷試験』です。
                             
私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に月に
数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行っています。

ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく「必要最小限
除去」を推奨しており「症状を誘発しない・食べられる
範囲までは食べる」を奨めています。

従ってFAのお子さんには「OFCを行い食べられる量を推測
し、少しずつ摂取量を増やしていく」という段階的解除を
行っています。

以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。

① 即時型症状に関する問診
② OFCの適応ありと判断したら、OFCの説明・同意、
  その後予約していただく
③ OFC当日は事前に指定したアレルゲン食物を少量摂取して、
  60〜90分程観察。誘発症状がないことを確認し帰宅
④ 自宅で同食物を指定の量・回数・期間で摂取
⑤ 数週間後に再診、増量した同食物でOFCを行う
  ・・・・・

以上をお子さんの状況に追う捨て数ヶ月間繰り返し、
段階的解除を目指します。
お子さんによっては1年近くかかるケースもありますが、
多くのお子さんは完全解除もしくはそれに近い状態まで
進むことができるようです。
もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応が必要
ですし、専門医療機関との連携が必要となるケースも
あります。

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2019年10月14日月曜日

かすやキッズネット11月号

今月(第127号)は『ノロウイルスの検査』です。

嘔吐下痢症が少しずつ流行してきたようです。
ノロウイルスの検査を希望する方がいらっしゃいますので
本検査のポイントを示します。

★検査キット(イムノクロマト法)
 メリット 短時間(1020分程度)で判定可能.
      簡便であり一般の医療機関で検査可能.
 デメリット検査感度が不十分(特異度は高い印象だが・・・)
       → 検査結果が『陰性』の場合判断が困難.
      検体は病中期以降の便が望ましい.
      保険適応は3歳未満と65歳以上のみ.

PCR検査
 メリット 検査精度が高い.
 デメリット時間がかかる(25日間程度)
      特殊な装置が必要であり限られた施設で可能.
      保険適応がなく高額な検査費用.

患者さんの病状と検査の特性を鑑みて検査適応を検討します。
当然「検査適応が不十分」と判断するケースもあります。

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html



YOSAKOIかすや祭りに参加しました


昨日10/13の第19回YOSAKOIかすや祭り『補助犬PR』ブースです。
福岡近郊から15頭のワンちゃんに参加してもらいました。
ボランティアの方々・実行委員会の方々、ありがとうございました。





2019年9月29日日曜日

出前講座:乳幼児の食物アレルギー


昨日9/28 (土) は、粕屋町社会福祉協議会主催の
子育て出前講座 特別編、
『乳幼児の食物アレルギーのお話し会』を行ってきました。
今回で第10回目でした。

特別な話はできませんが、僕自身が日頃感じていることを
気合いを入れて?準備して臨んでいます。

毎回スライドが多く、早口になってしまうので、
今回はスライドを36枚までに減らしました。
(なんとか10分オーバーで済みました・・・)

後半は質問を頂き、お話しをさせていただきました。
会の中でも話しましたが、「基本的な考え方」をベースに
患者さんの個別性に応じた診療をしていきます。
限られた時間の中で患者さんのバックグラウンドが
十分に把握できず、十分な回答ができたかどうか・・・

(これはクリニックの診療にも同様の構造があります)

僕はアレルギー専門医ではありませんが、
来年も開催されるのであれば、
更にブラッシュアップしていきます。

*アンケートで回答していただいた中に
「普段感じている疑問が理解できた」とありました。
その部分は特に力を込めてスライドを作ったので
非常に嬉しかったです。

*スライドは一部です。


  


  


  



2019年9月13日金曜日

キッズネット10月号

今月(第126号)は『インフルエンザワクチン』です。
      
10月から インフルエンザワクチン の接種がスタートされると思います。
そこで今回はインフルエンザワクチンのポイントを述べます。

【人間の免疫システム】
過去にインフルエンザの既往があっても感染してしまうケースが
あるように、人間の免疫システムがインフルエンザウイルスの抗原変異に
十分に対応できていないと考えられます。

【ワクチンの限界】
現行の不活化スプリットワクチンでは自然免疫系への刺激がなく
細胞性免疫の誘導ができないため、ワクチンの効果は限定的に
なってしまいます。インフルエンザ感染歴が少ない乳幼児にはワクチンの
効果が少ないのは当然です。またワクチンの製造過程での抗原性の
変異による有効性の低下(卵馴化)も指摘されています。

【ワクチンを接種する前に】
インフルエンザは人間が本来持っている免疫システムが十分に発揮され
れば、多くの場合1週間以内に治ります。
現行のインフルエンザワクチンの効果は限定的であるため、自分の免疫
システムを低下させないような体調管理を行ったり、感染機会に

配慮した防衛策をとった上でのワクチン接種を推奨します。

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html


 9/28() 14時から粕屋町福祉センターにて
 『乳幼児の食物アレルギーのお話し会』を開催します。
  お気軽に参加下さい。



2019年9月7日土曜日

第19回 YOOSAKOI かすや祭り

今年は
10/12(土)・10/13(日)
ですね!




2019年9月2日月曜日

日本外来小児科学会にて

8/31・9/1 は、国際会議場で開催された
第29回 日本外来小児科学会に参加してきました。

口演・ポスター発表形式で、演題発表してきました。

自分なりに、約3年間の活動に一区切りつけたつもりです。

それなりの反響はあったかと思います。
全国の先生方から声をかけていただきました。

前例がなければ、自分で調べて、自分で動けばいい。
自らその妥当性を検証しながら、粘り強く活動する。

いろんな意味で大変勉強になりました。

関係者の方々には大変お世話になりました。
ありがとうございました。

それにしても、行政の方々の英断だったと思います。


 


2019年8月13日火曜日

ひなた の 報告


九州盲導犬協会報に

ひなた が

紹介されました。

Go for it !






子育て出前講座特別編のご案内


9月28日(土)14:00〜 子育て出前講座特別編
を予定しています。

平成24年8月18日に粕屋町社会福祉協議会の方々とともに
スタートし、今回が 第10回目 となります!

今回も乳幼児の食物アレルギーをテーマに
お話しさせていただきます。

非常に広範なテーマであるため、特に

・血液検査(特異的IgE 値)の意義
・食物負荷試験を踏まえた耐性獲得

をお話させていただく予定です。


<前半30分> スタンダードな考え方のお話
<後半30分> 個別のご質問にお答えする 

ご質問大歓迎です!
お気軽にご参加下さい (^ ^)


*画像をクリックすると
大きな画面になります



キッズネット9月号

今月(第125号)は『食物アレルギー』です。
                                   
日々の診療で問い合わせの多い食物アレルギーです。
以下にポイントを述べますのでご参考に下さい。

① 食物アレルギーの全体像はまだ十分には解明されていませんが、
  最近は免疫学的知見から 経口免疫寛容・腸内細菌などが
  トピックのようです。

② 食物アレルギーは1人1人の発症様式・経過が異なるため、
  患者さん毎に個別に対応していきます。

③ 採血による特異的IgE検査は不確実な側面があります。
  一部のコンポーネントアレルゲンの特異的IgEにのみ限定的な有用性が
  確認されているのが現状です。
  診断で最も重要なのは詳細な問診(摂取歴)です。

④ 原因食物の厳格な除去ではなく「必要最小限の除去」が推奨されて
  ています。「症状を誘発しない範囲内で食べる」「食べられる範囲
  までは食べる」ことが推奨されています。

⑤ 「食物負荷試験を繰り返しながら、少しずつ制限解除を進める」
  という段階的解除が主体となってきています。

9/28() 14時から粕屋町福祉センターにて
 『乳幼児の食物アレルギーのお話し会』を開催します。
  お気軽に参加下さい。

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2019年7月19日金曜日

キッズネット8月号

今月(第124号)は『熱中症』です。

熱中症は「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」
です。スポーツ・仕事中に発症する<労作性>と日常生活で発症する
<非労作性>の2つがあり、重症度はⅠ〜Ⅲ度に分類されます。

Ⅰ度の症状は「めまい、立ちくらみ、顔色蒼白、頭痛、手足のしびれ・
冷感・こわばり」等であり、基本的に「意識障害を認めません」。
僕は「歩けない位きつがっているが、呼びかけにはきちんと返答できる」
とイメージしています。主な病態は発汗による体液の喪失と暑熱環境下
の末梢血管拡張作用による脳血流の一時的な減少と考えられ、涼しい
環境下で安静臥床(足を挙上)・ぬれタオル等によるクーリング・水分
(できれば経口補水液)の摂取等をさせながら経過観察していきます。
*「強い発汗・軽い頭痛・きつさを認めるが、支障なく歩行可能」程度
 であれば、Ⅰ度の前段階状態と考えます。
 このような徴候を認めれば早目に涼しい環境で休ませましょう。
 症状は時間とともに変化していきます。症状が改善しなければ
 医療機関へ受診してください。

Ⅱ度になるとⅠ度より重症化し意識障害「ぼーっとして反応が鈍い」、
経口摂取不能 がより顕在化してきます。
Ⅱ度では高体温による臓器障害が強くなる可能性があり、医療機関を
速やかに受診してください。特定の遺伝子タイプを持っている人では、高温

環境下では血管障害をきたしやすくリスクが高いとも言われています。

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html



2019年7月10日水曜日

おたふくかぜワクチンの公費助成

昨日午後は診療を早目に終了し、
自治会館で行われた研修会で
糟屋地区の養護教諭の先生方約50人に
お話をさせていただきました。

2017年12月:8つの自治体の疫学データを基に議会に陳情。
2018年3月:議会でプレゼンテーション。陳情の採択。
2019年3月:行政よりGoサインがでました。

このベースとなった疫学データは
学校保健会のご協力によるものです。

同会への御礼を兼ねてご報告をしようと思っていましたが
ようやくその機会を得て、お話をさせていただきました。
同会の先生方には大変感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。

本疫学調査の継続と
今後のありかたを検討しています。




2019年6月17日月曜日

キッズネット7月号

今月(第123号)は『夏かぜ』です
                             
6月に入り、夏かぜの子どもさんの受診が増えてきたようです。

【夏かぜウイルス】
かぜのウイルスは寒冷・乾燥を好むため冬に流行することが多い
のですが、逆に高温・多湿を好むウイルスもおり、
これが夏かぜウイルスです。エンテロウイルス・アデノウイルス等がその代表
であり、数十種類いるといわれています。

【エンテロウイルス感染症】
咳は比較的軽く、発熱・のどの痛み・体幹や手足の発疹(突発性
発疹のように解熱後に発疹が出現することもある)が特徴的です。
下痢・腹痛などの消化器症状を認めることもあります。

手足口病手・足の丘疹や水泡、口腔内の小水疱が特徴です)
ヘルパンギーナ高熱と“のどちんこ”の両脇の水疱が特徴。
 よだれ・嚥下痛が強い時もある)などが代表的な病気です。

【アデノウイルス感染症】
発熱・のどの痛みに加えて、結膜炎を認める場合もあります。

咽頭結膜熱:高熱・のどの痛み・充血などを認める。
 プール熱とも呼ばれますがプール以外でも感染します。
流行性角結膜炎

それぞれ学校保健安全法で出席停止期間がきまっています。

【対処法】
他の多くのウイルス感染症と同様に治療薬はないため
対症療法で対応していきます。


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html


2019年6月10日月曜日

花の日の訪問

先日、『花の日の訪問』として
院長が園医をしている保育施設の
園児さんの訪問を受けました。
嬉しい頂き物もありました。

毎年ありがとう  (^_^)
みんなの健康に寄与できるよう
微力ながらもがんばります!!



(院長だけカメラ目線で恐縮です・・・)

2019年5月18日土曜日

かすやキッズネット6月号

今月(第122号)は
『粕屋町のおたふくかぜワクチン接種費用の助成事業』です。
                            
6月より粕屋町では「おたふくかぜワクチン接種費用の助成事業」
が始まります。

【対象者】
 61日以降に本ワクチンを接種されるお子さんで、接種当日に
 粕屋町に住民登録 がある1歳以上4歳未満 のお子さん。

【助成額】
 接種費用のうち、3,000円を上限に助成があります。
  *全額の助成ではありません。
  *助成は1回の接種のみに限ります。

【助成方法】
 まず医療機関に接種費用を全額お支払いしていただきます。
 その後必要書類を粕屋町健康づくり課に申請していただき、
 粕屋町から助成金が支払われます。

【必要書類】
 ・予防接種済証 または 予診票 いずれかの写し
 ・領収書原本
 ・振込先口座がわかるものの写し 
 ・申請者本人確認書類(運転免許証等)
 ・認印


*不明な点は「粕屋町健康づくり課」にお問い合わせください。
      (TEL092-938-0258

*本事業は粕屋町単独の事業であり、
 福岡県では3番目の実施自治体です。
 2016年度の糟屋地区のおたふくかぜの大流行を踏まえての
 事業です。
 この機会におたふくかぜワクチンの接種を検討しませんか?

http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html