2021年10月22日金曜日

かすやキッズネット11月号


 今月(第151号)は『食物経口負荷試験』です。                 

私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に

月に数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行って

います。ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく

「必要最小限の除去」を推奨しており、

症状を誘発しない・食べられる範囲までは食べる」

ことを奨めています。

従ってFAのお子さんには「OFCを行い食べられる量を

推測し、少しずつ摂取量を増やしていく」という段階的

解除を行っています。

以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。

    即時型症状に関する問診

OFCの適応ありと判断したらOFC説明・同意・予約

OFC当日はアレルゲン食物を少量ずつ3090分の間隔で

 摂取。誘発症状がないことを確認して帰宅。

④自宅で同食物を指定の量・回数・期間で摂取

⑤数週間後に増量した同食物で

OFCを行う・・・以上を患者さんの状態に応じて

数ヶ月間繰り返し、段階的解除を目指します。

お子さんによっては1年近くかかるケースもありますが、

多くのFAのお子さんは完全解除もしくは完全解除に近い

状態まで進むことができるようです。

もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応が必要

ですし、専門医療機関との連携が必要となるケースも

あります。

 この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行している

  <かすやキッズネット> の『まちのお医者さん』に

 連載中です。