2020年6月17日水曜日

かすやキッズネット7月号

今月(第135号)は『ビッグデータは疑ってかかる』です。
                            
新型コロナウイルス感染症に関わる緊急事態宣言が解除され
1ヶ月が経過しました。最近は流行の第2波に備えて
無症状者にも積極的にPCR検査を行う論調を散見します。

メディアは新型コロナウイルス感染者の流行状況をPCR検査の
陽性者数で推測しているようですが、PCR検査の特性を
考えながら注意深く見ていかないと、数字ばかりが一人
歩きし現実と乖離していきます。

・PCR検査の感度・特異度への理解
・検査対象者の条件
・検査陽性者数のみではなく陰性者数や陽性率
陽性者のバックグラウンドの検証
・必ずしもPCR陽性≠感染力がある訳ではない(*注)
・無症状の陽性者の感染力
  ・・・ 
等を細かく検証しないと流行の推移はわかりません。

*注:PCR陽性であっても, ウイルス培養では陰性で
   活性が認められない場合がある.

僕は2016年度の糟屋地区のおたふくかぜの流行状況を
調べましたが、調査対象者・陽性者・陰性者を注意深く
見ないとデータの評価は難しいと痛感しました。
「ビッグデータは疑ってかかる」〜十分な検証をしないと
世の中がミスリードされる〜 懸念があります。

多くの非専門家の方々が躊躇いもなく大きな声で主張
され、世論が形成されていることに違和感を感じます。

ちなみに僕は新型コロナウイルス感染症の重症度(死亡率)
感染力は、当初の予測と大きな差異はないと考えます。