今月(第172号)は『夏かぜウイルス』です。
7月に入りました。
アデノウイルス・エンテロウイルスなど上気道症状が強い感染症、
RS・ヒトメタニューモウイルス・パラインフルエンザウイルス・(エンテロ)ライノウイルスなど
下気道症状が強い感染症、少数ではありますがコロナウイルス
感染症、など多様な感染症が続いています。
小児入院医療機関の病床も厳しい状況が続いているようです。
タイトルの『夏かぜウイルス』ですが
代表的なウイルスとしてアデノウイルス、エンテロ/ライノウイルスがあります。
どちらもエンベロープ(ウイルス外側の膜)を持たないためアルコール消毒の
効果が弱く、流水による物理的・強制的な排除が必要です。
エンテロウイルス属 は ヒトエンテロウイルス(HEV)と ヒトライノウイルス(HRV)の2つを
包含し、それぞれ100種以上の型が知られています。
ヘルパンギーナや手足口病のウイルスは
HEV-Aに属し、小児で下気道症状にも関わるライノウイルスは
HRV(-C) に属します。
診断は症状・所見・流行状況から推測し治療は対症療法です。
重症例では入院も検討します。
有効な抗ウイルス薬がなく、2次医療機関の病床も十分でない
状況では予防が大切です。アルコール消毒だけでなくこまめな
流水による手洗いや (可能であれば)うがい等による自衛の
意識が大切と考えます。
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