今月(第151号)は『『食物経口負荷試験』です。
私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に
月に数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行って
います。ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく
「必要最小限の除去」を推奨しており、
「症状を誘発しない・食べられる範囲までは食べる」
ことを奨めています。
従ってFAのお子さんには「OFCを行い食べられる量を
推測し、少しずつ摂取量を増やしていく」という段階的
解除を行っています。
以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。
① 即時型症状に関する問診
②OFCの適応ありと判断したらOFCの説明・同意・予約
③OFC当日はアレルゲン食物を少量ずつ30〜90分の間隔で
摂取。誘発症状がないことを確認して帰宅。
④自宅で同食物を指定の量・回数・期間で摂取
⑤数週間後に増量した同食物で
OFCを行う・・・以上を患者さんの状態に応じて
数ヶ月間繰り返し、段階的解除を目指します。
お子さんによっては1年近くかかるケースもありますが、
多くのFAのお子さんは完全解除もしくは完全解除に近い
状態まで進むことができるようです。
もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応が必要
ですし、専門医療機関との連携が必要となるケースも
あります。
*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行している
<かすやキッズネット> の『まちのお医者さん』に
連載中です。
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