2021年11月20日土曜日

かすやキッズネット12月号

 今月(第152号)『赤ちゃんと蜂蜜:乳児ボツリヌス症』です。
                           

『赤ちゃんが蜂蜜を舐めましたがどうしたらいいですか?

 乳児ボツリヌス症を心配された問い合わせをいただきます.


以下本症のポイントを示します


ボツリヌス菌は芽胞という硬い種子のような形態で土壌・川に

広く存在します. 真空パック・瓶缶詰中の存在が有名ですが

野菜・果物等への付着もありえますただ芽胞を摂取しても

通常は人間の腸内細菌の働きで菌は増殖できずボツリヌス毒素

も産生されずにおわります

例外的に赤ちゃんは腸内細菌の働きが未熟なため毒素が

産生されて発症する可能性があります.


症状は330日の潜伏期間の後に, 35日以上続く便秘を

認め,その後活気低下・哺乳低下へと進展し

眼瞼下垂・無表情・体幹や手足の麻痺に至る場合があります.

 時に呼吸管理が必要な場合もあり注意深い観察と対応が

必要なケースもあります.


【蜂蜜が原因?】

蜂蜜を摂取した乳児の本症の発症頻度は不明です.

ただ最近30年間の報告を見ると本症と蜂蜜摂取との関連が

明らかな事例は少ないようです

(ちなみに市販の蜂蜜製品中にボツリヌス菌が混在しているのは

数パーセント以下?という記事を読んだ記憶がありますが・・・

従って赤ちゃんが蜂蜜を舐めてしまっても慌てずに,

3日間以上続く便秘と 元気がない・哺乳の低下等に注意して

観察気になったら医療機関を受診することをアドバイスし

ています


この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月発行

 している <かすやキッズネット> の

 『まちのお医者さん』に連載中です。

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