2012年3月26日月曜日

平成23年度感染症発生動向研修会

先週末は福岡県平成23年度感染症発生動向研修会に行ってきました。
小児科関係で印象に残ったのは・・・
・麻疹:福岡県の全数報告では6例。
 全国で報告された遺伝子型では日本常在株は認めず、D4(ヨーロッパ)
 D9(東南アジア)などの輸入例を認めている。
  風疹:H23年は福岡市で風疹報告数の増加あり。20代前半に多かった。
 輸入例の報告あり。保育施設で集団発生あり。
 2011年は全国で先天性風疹症候群が2例の報告あり。(2010年は0例)
・水痘、おたふくかぜ:例年通りの報告数。
手足口病:昨夏は大流行し、コクサッキーA6では高熱・広範囲に強い水疱形成・
 治癒後の爪甲剥離例を認めた。

以上の報告を聞き、グローバル化で福岡も感染症の輸入は特殊なケースではなく、
接種率の向上による集団防衛の必要性を改めて感じました。また20代の若者を
中心に風疹の報告例が多く、先天性風疹症候群も懸念されました。
H24年度まで(H25年3月末まで)の事業であるMR3期・4期の対象者(中学1年生・
高校3年生)は是非忘れずに接種しましょう!

また国際保健分野で高名な山本先生の講演があり、健康・疾病について歴史的・
世界的に俯瞰していただき、ヒトの集団・文明(農耕・定住文化の始まり)・
異文化の交流による疾病交換と均質化など、病気について「人間の集団の環境
の適応」という観点からお話をいただきました。昨今の国内・外の情勢は近い将来
の大きな変化を予想させ、その環境の変化にどれだけ対応できるのか・・・いろいろ
と考えさせられました。また予防接種もこんな時代だからこそ重要なんだ!と
再認識させられました。

*帰りに志免町の『うかじ小児科』の1周年記念の映画上映会に行ってきました。


僕は映画には間に合わなかったのですが、素敵な企画で盛況であったと聞いております。
これからも子ども達の元気のために頑張りましょう!



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