2016年6月1日水曜日

キッズネット7月号


今月(第87号)は『仮性アレルゲン』です。


 現在、食物アレルギー(即時型反応)とは、特定の抗原とIgEが反応して肥満細胞から生理活性物質が放出され、様々な症状を呈するものとされています。この生理活性物質を外界から摂取すると、当然食物アレルギー(即時型反応)と同じような症状を呈します。この場合はIgEは関与せずにダイレクトに組織に作用するため、血液検査でその食物に対する特異的IgE抗体を調べても異常値を認めないことがあります。

 このような生理活性物質を「仮性アレルゲン」といい、ヒスタミン・アセチルコリン・セロトニン等の多数の物質があります。ただ仮性アレルゲンは人体に有害な反応をもたらすのと同時に、人体に有益な反応をもたらす物質でもあります。したがって生命の歴史でこの物質の果たした役割を考えると「仮性アレルゲン」という名称は果たして適切なのか?・・・と個人的には考えたりもします。とはいえ現実の生活では不利益な症状を誘発することがあるため、「仮性アレルゲン」として注意すべき食べ物(そば・やまいも・たけのこ・・・等)は、乳幼児では摂取量(過剰に食べさせない)・調理法(あく抜きをする、加熱処理をする)に配慮した方が良いと考えます。

 ただし以下のことにも留意ください。
〜多くの食物は「仮性アレルゲン」を含むので完全に除去することは不可能。多くの食物は「仮性アレルゲン」以外の生体に有益な物質も含んでいる。「仮性アレルゲン」には多面性があり、生体に益する面もある〜

 *6・7月はクリニックを休診しています m(_ _)m

0 件のコメント:

コメントを投稿