今月(第83号)は『発熱』です。
発熱は苦しいものですが感染症で発熱するのは生物としての生きる術であるため、「発熱=悪」と単純に捉えるとそこで思考がストップします。過度な解熱剤の投薬は体に良くないことに留意ください。そして以下の点(年齢・熱の高さ・病日・随伴症状等)に注意しながら経過を観察していきましょう。年齢では3〜4ヶ月未満の乳児では重症の細菌感染症が潜んでいるときがあるため、早目の検査・短いスパンで評価を行います。病日については、2〜3日以上発熱が遷延し元気がないようであれば、風邪以外の病気や合併症の可能性も考えていきます。(逆に発熱して間もなくて機嫌もよければ、しばらく自宅で経過観察されてもよいと考えます)乳幼児では発熱に発疹を伴ってくれば川崎病の可能性も考えます。咳・喘鳴などの呼吸症状が強ければ、呼吸のサポートも検討します。鼻症状・耳症状があれば中耳炎の可能性も考えます。以上を考えながら経過の中で判断していきます。発熱の多くはウイルス感染によるもの(いわゆる風邪)であり、特別な治療をしなくても2〜3日で解熱していく場合がほとんどです。現在はHib・肺炎球菌ワクチンが定期接種となっており、赤ちゃんの重症細菌感染症は以前に比較して著減してきています。
ふたばこどもクリニック
0 件のコメント:
コメントを投稿