2016年1月13日水曜日

キッズネット2月号

今月(第82号)は『マイコプラズマ感染症・肺炎』です。
昨年秋からマイコプラズマ感染症がやや多い印象を持っています。

まず、マイコプラズマ「感染症」について。
    マイコプラズマ感染症は一年を通して感染する機会があり、まれな感染症ではありません。
    マイコプラズマ感染症は、基本的には自然治癒する病態と考えられています。(おそらく幼小児では、「肺炎」ではなく「上気道炎」として自然治癒しているケースも多いのではないか?と僕は考えます)
    診断のツールとしては、血液検査(抗体検査)では偽陽性の問題があるため、現在では喉の粘液もしくは痰を検査する迅速抗原検査もしくは遺伝子検査が主流となってきています。ただこの検査法でも感度・特異度が問題となり、検査するタイミング・検体採取法によってはその判断が難しくなる事もあります。

次に、マイコプラズマ「肺炎」について。
    肺炎になるのはマイコプラズマ感染者のうちの数%程度と言われているので、「クラスでマイコプラズマ肺炎が多い」という話を親御さんから聞くと、「そんなに多いのかな?」と思います。
    先述の検査のタイミングは、高熱・強い咳が出てきてから少なくとも3〜4日目以降でないと検査自体の信用度が低いと考えます。
③肺炎であっても、全身状態・呼吸状態が悪くなければ、外来通院で治癒するケースも多いと考えます。

ふたばこどもクリニック http://www.futabakodomo.com/  TEL 957-1021


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