2014年5月1日木曜日

キッズネット4月号


今月(第61号)は『乳幼児の食物アレルギー』です。
食物アレルギーは乳児の約10%、幼児の約5%に認めるといわれていますが、その診断は単純ではありません。その原因や病態の全体像には不明な部分があり、また症状や経過も個人によって違う事例を経験します。たしかに食物摂取後速やかに症状が発現するタイプ(即時型アレルギー)はわかりやすいのですが、乳幼児の湿疹に代表される遅発・慢性の経過をとるタイプの食物アレルギーは診断が難しいと考えます。血液検査による特異的IgEの測定が広く行われており、特に卵・牛乳では本値と症状出現率との相関が年齢に応じてわかっています。ただしこれは必ずしも絶対的なものではなく、検査データと症状が一致せず、また症状の強さ・経過にも個人差を認めることがあります。現時点での最も妥当な診断法としては、即時型アレルギーの病歴の有無や食物経口負荷試験であるといわれています。血液検査のデータは(特異的IgE)は、診断を裏付けるもしくは経過をみていく上において、有用な情報と考えます。*乳幼児の食物アレルギーの主な原因である鶏卵・乳製品・小麦の多くは、加齢とともに症状を認めなくなっていきます。 

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