今月は『細菌性髄膜炎ワクチン』です。
10月上旬にヒトパピローマウイルス・Hib・肺炎球菌に対するワクチンについて、政府が今年度内に公費負担を検討中であるとの報道がありました。具体的には半額を国費負担、残る半額を自治体が負担する形で検討中のようです。今後国会での承認が必要ですが、ようやくワクチン行政が動き出してきた感があります。この動きをふまえて細菌性髄膜炎ワクチンについて簡単にまとめてみます。【細菌性髄膜炎】5歳未満の子どもにおいて年間600〜 1000人程度の発症があり、高度な治療を行っても5%程度の死亡率や20%程度に重い後遺症を認めています。(福岡県の小児科定点報告からは年間10〜20人程度の発症報告のようです)原因菌としては、Hib・肺炎球菌でその8〜9割を占め、発症年齢では0歳台の子どもで過半数を占めています。【ワクチン】欧米各国ではHibワクチン・肺炎球菌ワクチンはすでに定期接種化されてきており、その有効性・安全性は実証されています。【接種法】Hibワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンは生後2ヶ月より接種可能であり、またワクチンの同時接種も普及してきており、生後2ヶ月になったらこの2つのワクチンを同時接種(左右の腕にそれぞれを接種)されることを検討されていいかと思います。*なお本稿を記載している時点ではまだ公費負担ではありません。