2010年3月3日水曜日

かすやキッズネット2009年12月号

今月は『小児用肺炎球菌ワクチン』です。

日本でもHibワクチン(*4月号参照)に続き望まれていた、小児用肺炎球菌ワクチン(商品名プレベナー)が来春に発売される予定です。なお現行の成人向け(2歳以上)肺炎球菌ワクチンは、乳幼児には効果はないとされています。【肺炎球菌とは?】こどもでは乳幼児の髄膜炎・中耳炎・肺炎の原因となります。【肺炎球菌髄膜炎とは?】肺炎球菌の感染ですぐに重症感染症を起こすことは少ないのですが、脳や脊髄を包む髄膜に感染してしまうと髄膜炎として重症な病気となってしまいます。初期症状では風邪との区別がつかず、最終的には腰椎内に針を刺す特殊な検査をしないと診断がつきません。治療にもかかわらず亡くなる方は約10%、後遺症率は約30%と非常に厳しい病気です。細菌性髄膜炎の原因の約60%Hibで、約20%がこの肺炎球菌が原因といわれており、Hib髄膜炎にくらべて発症は少ないですが、死亡率・後遺症率がやや高いようです。【ワクチンは?】『予防が最大の決め手』として世界100ヵ国近くで認可されており、米国では乳幼児の重症肺炎球菌感染症が8割以上激減するなどその効果も確認されています。日本では、生後2ヶ月以降からの接種となると考えられ、接種年齢(月齢)によって接種回数が異なると考えられます。ただ任意接種であるため接種回数に応じた実費負担となります。これから来春にかけて詳細が明らかになってくるでしょう。ふたばこどもクリニック:とねがわ