2020年11月14日土曜日

かすやキッズネット12月号

 今月(第140号)は『『食物経口負荷試験』です。
                             
私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に
月に数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行って
います。

ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく
「必要最小限の除去」を推奨しており、
「症状を誘発しない・食べられる範囲までは食べる」
を奨めています。従ってFAのお子さんには
OFCを行い食べられる量を推測し、少しずつ摂取量
を増やしていく」という段階的解除を行っています。

以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。
①  即時型症状に関する問診
② OFCの適応ありと判断したらOFC説明・同意、
  OFCの予約
③ OFC当日はアレルゲン食物を少量ずつ摂取。
  90〜120分程度経過観察し、
  誘発症状がないことを確認して帰宅
④ 自宅で同食物を指定の量•回数•期間で摂取
⑤ 数週間後に増量した同食物でOFCを行う
  ・・・・・・・

以上を患者さんの状態に応じて数ヶ月間繰り返し、
段階的解除を目指します。

お子さんによっては1年近くかかるケースも
ありますが、多くのFAのお子さんは完全解除・
完全解除に近い状態まで進むことができます。
もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応
が必要ですし、専門医療機関との連携が必要となる
ケースもあります。

2020年10月14日水曜日

かすやキッズネット11月号

 今月(第139号)

『ワクチンの接種間隔の変更』です。

101日からワクチンの接種間隔のルールが緩和

されました。異なるワクチンを接種する場合、

多くのワクチンの接種間隔の日数制限がなくなり

ました。

ただ例外となるケースは2つあります。


異なる注射タイプの生ワクチンを接種する

 場合:従来どおり4週間以上の間隔をあけます。

  (注射生ワクチン:MR・水ぼうそう・おたふく・

         BCGなど)


*同じワクチンを接種する場合:従来どおり

 規定された接種間隔を守ります。



★今の時期はインフルエンザワクチンを接種するお子さんが

 多いと思いす。

 例えばこれまではMRワクチンを接種した後は

 4週間以上間隔をあけないとインフルエンザワクチンが

 接種できませんでしたが、

これからはMRワクチンを接種した翌日に

インフルエンザワクチンが接種できるようになりました。

逆にインフルエンザワクチンを接種した翌日に、

他のワクチンの接種もできるようになりました。



http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2020年9月15日火曜日

かすやキッズネット10月号

 今月(第138号)

『ロタウイルスワクチン が定期予防接種へ』です。

ロタウイルスワクチンが10月から定期予防接種になります。


【対象者】

 令和281日以降に生まれた乳児


【定期接種として開始される時期】

 令和2101


【ワクチンの種類と接種時期・接種回数】

 ワクチンには2種類あり、原則として同じワクチンを

 所定の回数接種していきます。

 *途中で他方のワクチンへの変更は原則として

 できません

 (どちらのワクチンも同様の効果が確認されて

  います)


     接種時期   接種回数 接種間隔

ロタリックス 生後6週〜24週  2回   4週間


ロタテック 生後6週〜32週  3回   4週間



【注意点】

・間違いを減らすために

 生後2ヶ月から他のワクチン (ヒブ・肺炎球菌・

 B型肝炎ワクチン等)との同時接種で スタートする


・ワクチンの副反応(まれではあるが腸重積)の

 可能性を 減らすために1回目はできるだけ

 生後146(およそ生後3ヶ月半)までに行う


*不明な点は粕屋町健康センター・医療機関へ

 問い合わせ下さい。


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2020年9月4日金曜日

小学校の内科検診

例年は4〜6月に行う小中学校の健康診断が

新型コロナウイルス感染拡大防止のため

延期されていましたが

ようやく開始となりました。

僕も校医をさせていただいている小学校の

内科検診に行ってきました。

1年生5クラス、6年生4クラス と

年々町内の児童数が増加してきていることを

実感します!

お土産もいただきました。

ありがとう!



2020年8月13日木曜日

かすやキッズネット9月号

 今月(第137号)は『新型コロナウイルス感染症の検査』です。

 

現在新型コロナウイルス感染症の検査は、希望する方が無条件に

できる訳ではありません。以下簡単にまとめてみました。

なお8月上旬の状況であり、今後状況が変わりうることを

ご了承下さい。


【行政検査】

 ・疑わしい症状・根拠があり医療機関や保健所が検査の

 適応があると判断した者.

症状がなくても感染者と濃厚接触があると判断され

 た者. 

勤め先等において感の染リスクが高いと判断された者.


このような方々に対して保健所が主体となって検査を

行います. 検査費用は公費負担です.

 

【保険診療】

 疑わしい症状・根拠があり医療機関が検査の適応がある

 と判断した者に対して保健所を介さずに検査を行います.


検査法はPCR検査・ウイルス抗原検査(定性・定量があります.

精度の高いPCR・ウイルス抗原定量検査では特殊な検査装置が

必要なため, 検体を検査機関へ輸送する事が多いようです.

ウイルス抗原検査(定性) は, 前述の検査法に比べて感度がやや

低く, また唾液では検査ができません. ただ特殊な検査装

を必要とせず, 30分もあればその場で判定できます.

保険診療としての自己負担金があります.

現時点では検査できる個人医療機関は少ないと思います.


*医療機関側には感染防御対策が求められる.

*医療機関と自治体との契約が必要.

*多くの小児科医療機関は小児科外来診療料(包括算定)

 で算定しており, 現行の保険診療では課題がある.  


【自費診療】

 疑わしい症状・根拠がなく保険診療の適応はないが,

検査を希望する方に対する検査です.

保険診療ではない(自費診療)ため検査費用

全額自己負担となり,1万〜数万円程度かかるようです.

検査結果に関しては, 十分な理解・対応が必要です.


【個人的な感想

・僕は新型コロナウイルス感染症の感染力・重症度は

 季節性インフルエンザと同程度だと考えています.

・COVID19を軽んじているわけではありません.

「冬場のインフルエンザシーズンに緊張感を持って臨む」

 対応と同じだと考えています.

・ただ現実問題として, 指定感染症 (2類感染症相当)

 である限りはそれなりの配慮も必要ですが.

・感染力 (これも曖昧な言葉ですが・・・) は, 

社会集団の免疫状態に左右されますし, 

個人の免疫能や感染防御への配慮で左右されます. 

そういう多要因への考察がなされるべきですが, 

日々の報道ではあまりなされていません.  

無症状者に無条件に検査をやるべきではないと考え

 ます. 社会的・個人的なリスクを鑑みて検査の適応を

 判断すべきだと考えます. 

 「検査陰性」の場合, 今後の罹患の可能性?

 「検査陽性」の場合, 今後の再感染可能性?

  ➡ 際限ない検査・・・?

    適応を考えながら、検査を行うべきと考えます.


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html




2020年7月17日金曜日

キッズネット8月号

今月(第136号)は『夏かぜ』です。
                            
7月に入り、夏かぜの子どもさんの受診が増えてきました。

【夏かぜウイルス】
かぜのウイルスは寒冷・乾燥を好むため冬に流行することが
多いのですが、逆に高温・多湿を好むウイルスもおり、
これが夏かぜウイルスです。エンテロウイルス・アデノウイルス等が
その代表です。

【エンテロウイルス感染症】
咳は比較的軽く、発熱・のどの痛み・体幹や手足の発疹
(突発性発疹のように解熱後に発疹が出現することもある)
が特徴的です。下痢・腹痛などの消化器症状を認める
こともあります。
手足口病:手・足の丘疹や水泡、口腔内の小水疱が特徴
ヘルパンギーナ高熱と“のどちんこ”の両脇の水疱が特徴。
  よだれ・嚥下痛が強い時もある)などが代表的な病気です。

【アデノウイルス感染症】
発熱・のどの痛みに加えて、結膜炎を認める場合もあります
咽頭結膜熱:高熱・のどの痛み・充血などを認める。
   プール熱とも呼ばれますがプール以外でも感染します。
流行性角結膜炎
*それぞれ学校保健安全法で出席停止期間がきまっています。

【対処法】
他の多くのウイルス感染症と同様に治療薬はないため
対症療法で対応していきます。

2020年6月17日水曜日

かすやキッズネット7月号

今月(第135号)は『ビッグデータは疑ってかかる』です。
                            
新型コロナウイルス感染症に関わる緊急事態宣言が解除され
1ヶ月が経過しました。最近は流行の第2波に備えて
無症状者にも積極的にPCR検査を行う論調を散見します。

メディアは新型コロナウイルス感染者の流行状況をPCR検査の
陽性者数で推測しているようですが、PCR検査の特性を
考えながら注意深く見ていかないと、数字ばかりが一人
歩きし現実と乖離していきます。

・PCR検査の感度・特異度への理解
・検査対象者の条件
・検査陽性者数のみではなく陰性者数や陽性率
陽性者のバックグラウンドの検証
・必ずしもPCR陽性≠感染力がある訳ではない(*注)
・無症状の陽性者の感染力
  ・・・ 
等を細かく検証しないと流行の推移はわかりません。

*注:PCR陽性であっても, ウイルス培養では陰性で
   活性が認められない場合がある.

僕は2016年度の糟屋地区のおたふくかぜの流行状況を
調べましたが、調査対象者・陽性者・陰性者を注意深く
見ないとデータの評価は難しいと痛感しました。
「ビッグデータは疑ってかかる」〜十分な検証をしないと
世の中がミスリードされる〜 懸念があります。

多くの非専門家の方々が躊躇いもなく大きな声で主張
され、世論が形成されていることに違和感を感じます。

ちなみに僕は新型コロナウイルス感染症の重症度(死亡率)
感染力は、当初の予測と大きな差異はないと考えます。