『川崎病』について。
【川崎病】川崎病は耳にする機会も少なくないと思います。約40年前に日赤医療センターの川崎先生によって報告され、川崎病と命名されました。現在も原因は特定できていませんが、小血管に炎症が起こっていることがわかっています。3歳未満の乳幼児に多く、全国では年間約8千〜1万人程度、福岡県では年間約300人程度の報告があり、こどもの病気としてはまれなものではありません。基本的には予後良好な病気ですが、まれに心臓の冠動脈に後遺症を残すことがあるため、ちょっと注意が必要な病気です。
【診断】①(5日間以上の)発熱 ②発疹 ③目の充血 ④唇の紅潮 ⑤手足の指などの紅潮・腫脹 ⑥首のリンパ節の腫脹 以上の6項目のうち5つ以上を認めれば診断できますが、不全型もあるため慎重な判断が必要な時もあります。またBCG痕の発赤も参考となります。乳幼児で2〜3日続く発熱に発疹をともなってくれば、川崎病も念頭におきながら診療することが一般的と考えます。
【治療】川崎病と診断されれば、原則入院の上、免疫グロブリンの点滴(1〜2日間)、抗炎症薬の内服(退院後も含め1〜2ヶ月間)を行います。10日間程度で退院できることが多く、退院後は定期検診を数年間行いますが、運動制限などはせずに普通の生活が送れることがほとんどです。*ちなみに当クリニックでも定期検診は行っています。