2010年3月3日水曜日

かすやキッズネット2009年1月号

★今月より“とねがわ先生”のご協力により小児科の先生から見たプチアドバイスのコーナーがスタート!!第1回目は『ノロウィルスについて』です。

このウィルスは乾燥・冷環境に強く、また感染力も強いため、初冬から感染性胃腸炎として集団発症します。潜伏期間は1248時間と短く、症状は嘔吐・下痢・発熱・体のだるさ等があり、小児では嘔吐が強い傾向にあります。特殊な検便で診断可能ですが、時間も検査料も要するため、実際には流行状況や診察所見を参考にしながら診断していきます。治療法としては有効な抗ウィルス薬はなく、腸の安静と対症療法で様子をみていきます。初期の嘔吐が強い数時間は絶食とし、嘔吐が落ち着いたら少しずつ水分を与えながら経過をみていくと、ほとんどは半〜1日をピークに、23日間で軽快していきます。急患センターでぐったりとしたお子さんが長時間待機しているのを見かけますが、発症して数時間以内であれば、まずは自宅で安静にして経過を看るほうがお子さんにとっていいのではないか、と僕は考えます。ただ、元気がない・ぼ-っとしている・水分をのまないということが1日以上続くようであれば受診をおすすめします。 医療とは多様性をひめた対象へのアプローチ(推測)であり、そのためには病気のおおまかなイメージが必要と考えます。そのお手伝いができればと思います。よろしくお願いします。

ふたばこどもクリニック院長:とねがわやすひこ