2021年1月16日土曜日

かすやキッズネット2月号

今月(第142号)は『新型コロナウイルスワクチン』です。

 

現在世界でワクチンの開発が進み、新しいタイプの

mRNAワクチン等の開発が先行しています。

既に米国・英国では200万以上の接種がなされ

ています。


有効性に関してはmRNAワクチンの臨床試験では

有効率90%以上という優れた効果が報告されま

した。ただしあくまで短期的な有効性であり、

長期的な有効性はまだ不明のようです。


副反応はアナフィラキシー等の重篤な有害事象の報告は

ありますが少数のようです。

疼痛・発熱・倦怠感等が比較的多いようです。

現時点で副反応に関しては「概ね安全であるが

今後の検証を踏まえて慎重に評価する」という

論調のようです。


今後日本では優先接種対象者(医療関係者・高齢

者・基礎疾患有者)への速やかな接種体制の構築・

接種が進められる予定です。


*ワクチンの有効率90%以上とは「接種した人の90%

は罹らず10%の人が罹る」という意味ではあり

ません。接種者は非接種者に比べて発症のリスク

が10分の1になるというイメージです。

ちなみにインフルエンザワクチンの65歳未満の成人の有効

率は60%程度という報告があります。


(1月上旬の情報を元に記載しています)


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/index.html


*この記事は粕屋町社会福祉協議会が毎月

 発行している <かすやキッズネット> の

 『まちのおいしゃさん』のコーナーに

  連載中です。


2020年12月17日木曜日

かすやキッズネット 1月号

今月(第141号)は『新型コロナウイルス感染症(COVID19)』です。

 

新年明けましておめでとうございます。

今年も粕屋町社会福祉協議会のお許しを得て

細々と連載予定です。


さて福岡県では10/8に解除された「福岡コロナ

警報」が12/12に再発動されました。

指定感染症(2類感染症相当)であるため慎重な

対応が必要ですが、過剰に反応せずに冷静に

対応しましょう。


現時点での小児のCOVID19に関する臨床像は

①無症状〜軽症者が多い 

②小児からの感染の広がりは少ない 

③小児の感染の大部分は家族内感染

 (小児での孤発例は少ない)

     のようです。


*以下私見です。


様々な要因があるためCOVID19の感染を

完全に制御することは困難です。

今後も患者数(正確にはPCR陽性者数)は増える

でしょう。ただ感染対策は特別な方法ではなく、

個人が徹底して行えば感染のリスクは低いと

考えます。

また感染・発症しても多くの人は軽症です。

大切なことは身近にいるハイリスク者への配慮です。


“医療崩壊” が世上喧しいです。

全ての資源に限りがあるように、医療資源に

も限りがあります。今回に限らずこれまでも

限られた資源の中で医療関係者はやり繰り

して医療サービスを提供してきました。

ただ今回のような制約が厳しいCOVID19へ

の医療対応では、もっと緊急性が高い・

重症度が高い疾患への対応ができなくなる

のは当然です。


日々の患者数の推移、ましてや Go to 云々

よりもっと根本的なことへの議論をなすべき

ではないかと思います。


医療資源には莫大な公費が投入されています。

資源捻出のためにどこかにしわ寄せが行くの

ではなく、大局的・現実的な判断が望まれま

す。


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html


2020年11月14日土曜日

かすやキッズネット12月号

 今月(第140号)は『『食物経口負荷試験』です。
                             
私のクリニックでは食物アレルギー(FA)のお子さんを対象に
月に数人のペースで経口食物負荷試験(OFC)を行って
います。

ガイドラインでは原因食物の厳格な除去ではなく
「必要最小限の除去」を推奨しており、
「症状を誘発しない・食べられる範囲までは食べる」
を奨めています。従ってFAのお子さんには
「OFCを行い食べられる量を推測し、少しずつ摂取量
を増やしていく」という段階的解除を行っています。

以下に私のクリニックでのOFCの流れを簡単に記します。
①  即時型症状に関する問診
② OFCの適応ありと判断したらOFCの説明・同意、
  OFCの予約
③ OFC当日はアレルゲン食物を少量ずつ摂取。
  90〜120分程度経過観察し、
  誘発症状がないことを確認して帰宅
④ 自宅で同食物を指定の量•回数•期間で摂取
⑤ 数週間後に増量した同食物でOFCを行う
  ・・・・・・・

以上を患者さんの状態に応じて数ヶ月間繰り返し、
段階的解除を目指します。

お子さんによっては1年近くかかるケースも
ありますが、多くのFAのお子さんは完全解除・
完全解除に近い状態まで進むことができます。
もちろん重度のFAのお子さんの場合は慎重な対応
が必要ですし、専門医療機関との連携が必要となる
ケースもあります。

2020年10月14日水曜日

かすやキッズネット11月号

 今月(第139号)は

『ワクチンの接種間隔の変更』です。

10月1日からワクチンの接種間隔のルールが緩和

されました。異なるワクチンを接種する場合、

多くのワクチンの接種間隔の日数制限がなくなり

ました。

ただ例外となるケースは2つあります。


*異なる注射タイプの生ワクチンを接種する

 場合:従来どおり4週間以上の間隔をあけます。

  (注射生ワクチン:MR・水ぼうそう・おたふく・

         BCGなど)


*同じワクチンを接種する場合:従来どおり

 規定された接種間隔を守ります。



★今の時期はインフルエンザワクチンを接種するお子さんが

 多いと思います。

 例えばこれまではMRワクチンを接種した後は

 4週間以上間隔をあけないとインフルエンザワクチンが

 接種できませんでしたが、

これからはMRワクチンを接種した翌日に

インフルエンザワクチンが接種できるようになりました。

逆にインフルエンザワクチンを接種した翌日に、

他のワクチンの接種もできるようになりました。



http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2020年9月15日火曜日

かすやキッズネット10月号

 今月(第138号)は

『ロタウイルスワクチン が定期予防接種へ』です。

ロタウイルスワクチンが10月から定期予防接種になります。


【対象者】

 令和2年8月1日以降に生まれた乳児


【定期接種として開始される時期】

 令和2年10月1日


【ワクチンの種類と接種時期・接種回数】

 ワクチンには2種類あり、原則として同じワクチンを

 所定の回数接種していきます。

 *途中で他方のワクチンへの変更は原則として

 できません

 (どちらのワクチンも同様の効果が確認されて

  います)


     接種時期   接種回数 接種間隔

ロタリックス 生後6週〜24週  2回   4週間


ロタテック 生後6週〜32週  3回   4週間



【注意点】

・間違いを減らすために

 生後2ヶ月から他のワクチン (ヒブ・肺炎球菌・

 B型肝炎ワクチン等)との同時接種で スタートする


・ワクチンの副反応(まれではあるが腸重積)の

 可能性を 減らすために1回目はできるだけ

 生後14週6日(およそ生後3ヶ月半)までに行う


*不明な点は粕屋町健康センター・医療機関へ

 問い合わせ下さい。


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html

2020年9月4日金曜日

小学校の内科検診

例年は4〜6月に行う小中学校の健康診断が

新型コロナウイルス感染拡大防止のため

延期されていましたが

ようやく開始となりました。

僕も校医をさせていただいている小学校の

内科検診に行ってきました。

1年生5クラス、6年生4クラス と

年々町内の児童数が増加してきていることを

実感します!

お土産もいただきました。

ありがとう!



2020年8月13日木曜日

かすやキッズネット9月号

 今月(第137号)は『新型コロナウイルス感染症の検査』です。

 

現在新型コロナウイルス感染症の検査は、希望する方が無条件に

できる訳ではありません。以下簡単にまとめてみました。

なお8月上旬の状況であり、今後状況が変わりうることを

ご了承下さい。


【行政検査】

 ・疑わしい症状・根拠があり, 医療機関や保健所が検査の

 適応があると判断した者.

・症状がなくても, 感染者と濃厚接触があると判断され

 た者. 

・勤め先等において感の染リスクが高いと判断された者.


このような方々に対して保健所が主体となって検査を

行います. 検査費用は公費負担です.

 

【保険診療】

 疑わしい症状・根拠があり, 医療機関が検査の適応がある

 と判断した者に対して, 保健所を介さずに検査を行います.


検査法はPCR検査・ウイルス抗原検査(定性・定量) があります.

精度の高いPCR・ウイルス抗原定量検査では特殊な検査装置が

必要なため, 検体を検査機関へ輸送する事が多いようです.

ウイルス抗原検査(定性) は, 前述の検査法に比べて感度がやや

低く, また唾液では検査ができません. ただ特殊な検査装置

を必要とせず, 30分もあればその場で判定できます.

保険診療としての自己負担金があります.

現時点では検査できる個人医療機関は少ないと思います.


*医療機関側には感染防御対策が求められる.

*医療機関と自治体との契約が必要.

*多くの小児科医療機関は小児科外来診療料(包括算定)

 で算定しており, 現行の保険診療では課題がある.  


【自費診療】

 疑わしい症状・根拠がなく, 保険診療の適応はないが,

検査を希望する方に対する検査です.

保険診療ではない(自費診療)ため, 検査費用は

全額自己負担となり,1万〜数万円程度かかるようです.

検査結果に関しては, 十分な理解・対応が必要です.


【個人的な感想】

・僕は新型コロナウイルス感染症の感染力・重症度は

 季節性インフルエンザと同程度だと考えています.

・COVID19を軽んじているわけではありません.

「冬場のインフルエンザシーズンに緊張感を持って臨む」

 対応と同じだと考えています.

・ただ現実問題として, 指定感染症 (2類感染症相当)

 である限りはそれなりの配慮も必要ですが.

・感染力 (これも曖昧な言葉ですが・・・) は, 

社会集団の免疫状態に左右されますし, 

個人の免疫能や感染防御への配慮で左右されます. 

そういう多要因への考察がなされるべきですが, 

日々の報道ではあまりなされていません.  

・無症状者に無条件に検査をやるべきではないと考え

 ます. 社会的・個人的なリスクを鑑みて検査の適応を

 判断すべきだと考えます. 

 「検査陰性」の場合, 今後の罹患の可能性?

 「検査陽性」の場合, 今後の再感染の可能性?

  ➡ 際限ない検査・・・?

    適応を考えながら、検査を行うべきと考えます.


http://vc.town.kasuya.fukuoka.jp/syakaifukushi/kidsnet.html