2016年4月27日水曜日

内科検診でした

本日は午後より園医をさせていただいている保育園の内科検診でした。

約140人の元気な園児さんの検診で、楽しいひとときでした。

クリニック以外での、集団保育・学校生活での子供達の姿を見ると、
新たな発見もあり、僕自身楽しんでいます。

さて来月は、6回の検診を予定しています。

新しい環境にも少しずつ慣れてきて、少しずつ逞しくなっていく、
子供達と会えるのが楽しみです (^o^)



2016年4月26日火曜日

問診票について


当クリニックの問診票の改訂第6版を作りました。

それぞれのクリニックが独自の問診票を作ってあると思いますが、
当クリニックも院長がこだわって作成した問診票です。

僕は病歴に、病態・病勢が示されると考えます。
また病歴を患者さんと共有し整理する中で、
診断はつかなくても、病態が浮き彫りにされると考えます。

親御さんには面倒でも、問診票にはできるだけ記載していただけると助かります (^_^)




2016年4月22日金曜日

キッズネット5月号

今月(第85号)は『おねしょ・夜尿症』です。

夜尿」とは夜間就寝中に無意識に排尿し、衣類や寝具を濡らしてしまうことの総称です。
おねしょ」とは幼児期の「夜尿」であり、生理現象(夜間の随意的排尿の未熟さ)と捉えられています。
夜尿症」とは幼児期以降(特に就学後)も頻回に「夜尿」が続き、治療を検討する必要のあるものです。
夜尿は5歳児で約20%10歳で約5%と決して少なくない頻度で認められます。

現在、夜尿症の原因として、
①夜間の尿産生が多い(本来、抗利尿ホルモンAVPの働きで夜間の尿産生は抑えられるが、夜間のAVP分泌量が少ないために夜間の尿産生が抑えられない)、
②夜間の膀胱機能の低下(機能的膀胱容量は日中よりも夜間の方が大きい筈であるが、膀胱機能が未熟なため夜間の膀胱容量が少ない)、以上2つの要因が考えられています。
(個人的には夜間の排尿を意図的にコントロールする脳の働きの検討も必要ではないかと考えますが・・・)

夜尿症の基本治療は生活指導と夜尿の記録です。前者に関しては、夜間の水分摂取の制限・規則正しい生活(十分な睡眠・決まった時間の食事・間食特に塩分を控える等)となります。(個人的にはこういう生活習慣が①②に対する生理的な発達を促すのではないかと考えますが・・・)

継続した生活指導でもコントロールが困難なケースでは、薬物療法や夜尿アラームを検討していくことになります。

2016年3月20日日曜日

キッズネット4月号

今月(第84号)は『日本脳炎ワクチン』です。

現在、日本脳炎ワクチンの第1期の標準的接種時期は3となっていますが、つい先月、日本小児科学会より「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6ヶ月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」というお知らせがありました。近年、日本脳炎患者数は非常に少ないのですが、ブタの抗体保有状況からは西日本を中心に広い地域で日本脳炎ウイルスの存在が確認されています。最近の小児の日本脳炎の報告事例は、2009年に高知県で1歳児、2010年に山口県で6歳児、2011年に福岡県で10歳児および沖縄県で1歳児、2013年に兵庫県で5歳児、2015年に千葉県で生後11ヶ月児となっています。第1期接種の標準的接種年齢とされる3歳以前にも発症者が少数ながらも報告されています。よって日本脳炎ウイルスが多いと推測される西日本地域では、生後6ヶ月からの日本脳炎ワクチンの接種を検討されることがおすすめされます。日本脳炎ウイルスに感染しても多くの人は発症しない(不顕性感染)のですが、万が一にも発症してしまった場合には高率に神経学的後遺症を残し、時に命に関わることもあります。日本脳炎ワクチンの接種時期を再考されることをおすすめします。

2016年2月25日木曜日

キッズネット3月号

今月(第83号)は『発熱』です。

発熱は苦しいものですが感染症で発熱するのは生物としての生きる術であるため、「発熱=悪」と単純に捉えるとそこで思考がストップします。過度な解熱剤の投薬は体に良くないことに留意ください。そして以下の点(年齢・熱の高さ・病日・随伴症状等)に注意しながら経過を観察していきましょう。年齢では34ヶ月未満の乳児では重症の細菌感染症が潜んでいるときがあるため、早目の検査・短いスパンで評価を行います。病日については、2〜3日以上発熱が遷延し元気がないようであれば、風邪以外の病気や合併症の可能性も考えていきます。(逆に発熱して間もなくて機嫌もよければ、しばらく自宅で経過観察されてもよいと考えます)乳幼児では発熱に発疹を伴ってくれば川崎病の可能性も考えます。咳・喘鳴などの呼吸症状が強ければ、呼吸のサポートも検討します。鼻症状・耳症状があれば中耳炎の可能性も考えます。以上を考えながら経過の中で判断していきます発熱の多くはウイルス感染によるもの(いわゆる風邪)であり、特別な治療をしなくても23日で解熱していく場合がほとんどです。現在はHib・肺炎球菌ワクチンが定期接種となっており、赤ちゃんの重症細菌感染症は以前に比較して著減してきています。

ふたばこどもクリニック 

学校保健安全委員会

昨日は、小学校の保健安全委員会に呼ばれ、
インフルエンザの情報提供をさせていただきました。

地域で子ども達を見守っておられる方々と、お話をさせていただき、
保健活動を通した、地域全体の関わりの重要性を感じました。

当クリニックも少しでもお役に立てればと思います。






2016年1月13日水曜日

キッズネット2月号

今月(第82号)は『マイコプラズマ感染症・肺炎』です。
昨年秋からマイコプラズマ感染症がやや多い印象を持っています。

まず、マイコプラズマ「感染症」について。
    マイコプラズマ感染症は一年を通して感染する機会があり、まれな感染症ではありません。
    マイコプラズマ感染症は、基本的には自然治癒する病態と考えられています。(おそらく幼小児では、「肺炎」ではなく「上気道炎」として自然治癒しているケースも多いのではないか?と僕は考えます)
    診断のツールとしては、血液検査(抗体検査)では偽陽性の問題があるため、現在では喉の粘液もしくは痰を検査する迅速抗原検査もしくは遺伝子検査が主流となってきています。ただこの検査法でも感度・特異度が問題となり、検査するタイミング・検体採取法によってはその判断が難しくなる事もあります。

次に、マイコプラズマ「肺炎」について。
    肺炎になるのはマイコプラズマ感染者のうちの数%程度と言われているので、「クラスでマイコプラズマ肺炎が多い」という話を親御さんから聞くと、「そんなに多いのかな?」と思います。
    先述の検査のタイミングは、高熱・強い咳が出てきてから少なくとも3〜4日目以降でないと検査自体の信用度が低いと考えます。
③肺炎であっても、全身状態・呼吸状態が悪くなければ、外来通院で治癒するケースも多いと考えます。

ふたばこどもクリニック http://www.futabakodomo.com/  TEL 957-1021